過払い金を生み出すグレーゾーン金利の仕組みとは?

「過払金返還請求」という言葉を、みなさんもテレビやラジオで耳にすることが多くなっているのではないでしょうか。
 
それだけみなさんの耳になじんでいるということは、その請求がいかに世の中で数多く行われているか、ということの証しにもなっていると思います。
 
過払い金の総額は全国でピーク時の2008年には年間で1兆円にも達し、徐々に減りつつはあるものの、いまだに数百億円という過払金が債務者に返還されているのです。
 
これだけ巨額の利息が、本来なら支払う必要もないのに支払ってきたと考えると、あらためて理不尽な話だと思わざるをえません。
 
ところで、みなさんの中にはこの過払金返還請求を行うこと自体に、どこか抵抗感や後ろめたさをおぼえている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
たとえば、貸金業者や銀行に悪い印象を与えてしまうのではないか、あるいは、あげくのはてにはブラックリストに入れられて借り入れができなくなってしまうのではないか、などと漠然とした不安や恐れを抱いている人もいるようです。
 
それどころか、払ったはずの利息を返してもらうことに、引け目や負い目まで感じてしまう場合もあり、実はけっこうな数の人たちが過払金返還請求をすることにためらいを持っているという状況があります。
 

しかし、これはまったくの勘違いによる考えです。
 

なぜなら、過払金返還請求というのは法律によってしっかりと根拠づけられた、
債務者にとって正当な権利といってもいいものだからなのです。
 
そのことをしっかりと知っておけば、不必要な不安や罪悪感を抱くこともなくなるでしょう。
 

では、過払金返還請求の根拠となっている「利息制限法」という法律について説明していきましょう。
 

これは、戦後まだ間もない1954年から施行されている非常に古い法律です。
 
その名の通り、貸金業者が債務者から利息を取りすぎることを防ぐために
金利の上限を定めた法律で、その上限は、100万円以上なら15%まで、
10万円〜100万円未満であれば18%まで、10万円未満であれば20%までと決められています。
 
これらを超えて設定された利息分に関しては、すべてその契約自体が無効となります。
 
つまり、この本来なら無効となるはずの部分の利息を支払っていた場合に、
過払金返還請求を行えるわけです。
 
それにしても、なぜそもそも法律で無効になっていたはずの金利を、
貸金業者はわざわざ設定していたのでしょう。
 

実は、ここにこそ過払金を生み出す最大の理由が隠されています。

 
それは、利息制限法はあくまで金利の上限を定めているだけで、
それを違反した業者を罰する規定を設けてはいない、ということなのです。

 
そしてこれとは別に、金利の上限を定めた法律がもう1つあります。
 
それが、「出資法」です。
 
しかし、出資法ではは利息制限法とは異なり、
金利の上限を29.2%と規定しています。
 
さらに、これを超えた金利を設定した場合、
ただ契約が無効になるだけではなく、
金融業者には、営業停止などのかなり厳しい罰則も設けられています。
 
そのせいもあって、こちらの上限はほとんどの貸金業者によって
しっかりと守られているのです。
 
このように、利息の上限には法律によって2つのラインが存在し、
その幅は利息制限法20%と出資法29.2%の間で最大9.2ポイントもあったことになります。
 
そしてこの幅をうまく利用することで、
「利息制限法を破りつつ、出資法は守っている」という
金利設定を多くの消費者金融が行っていたのです。
 
このような金利のことを、グレーゾーン金利と呼んでいます。
 
そして、このいびつな状態は、これまで貸金業界の間ではとても長い期間、
当たり前のように行われてきました。
 
なぜそんなことが可能であったかというと、
そこにはこのグレーゾーン金利をある意味で守り、
法的な根拠を与えてきた「貸金業法」という複雑な
法律が存在していたためなのです。
 
グレーゾーン金利をよく知るためには、
この貸金業法についても詳しく知っておく必要があります。