実録!不動産担保金融で実際にあった悪質商法のケース

改正資金業法が施行されてから、
貸金業をめぐるルールはより厳しいものとなりました。

 

これによって、悪質商法は大きく数を減らしています。
 
ただ、そのような業者がすべてなくなったわけではありません。
 
ここでは過去に学ぶため、改正前に実際にあった
不動産担保金融のケースを見ていくことにしましょう。
 
なお、個人名や職業などはすべて実際と異なったものに変更しています。
 
被害者の高橋淳さんは、工場を経営者する50代の男性でした。
 
複数の消費者金融から融資を受け、
住宅金融公庫の住宅ローンも合わせると
全部で1000万円近くの借入額があり、
資金繰りにもとても苦労していました。
 
そんな折り、ふとしたきっかけでダイレクトメールの文字が目に止まります。

そこに記されていたのは、年利6.7%で50年ローンという超低金利の宣伝文句。
 
さすがにそんな虫のいい話はないだろうと
ダイレクトメールを捨てかけた高橋さんですが、
思わずその手が止まります。
 
もしもこれが本当だったら、
借金を一本化してずっと楽になるかもしれない…。
 
駄目で元々と、高橋さんは
その事務所を訪れることにしてみました。
 
すると話はトントン拍子で進み、
はじめは自分の借入額と同程度のローンを
希望していた高橋さんでしたが、
最終的には「余裕を持った借入をしてほしい」という
相手側の希望を受けて1100万円の融資を受けることが決まりました。
 
ところが、借入条件の話に思わず首をひねってしまいます。
 
まず驚いたのは、ダイレクトメールには何も記載がなかった、
極度額3000万円の根抵当権が設定されていたこと。
 
これは、返済のたびにいちいち担保を外したりせず、
ずっと入れたままで、その間は極度額まで
借入することができるようにする仕組みです。
 
また、年利も広告にあった6.7%ではなく9.2%になっていて、
借入額に対して5%分の融資手数料までも請求されてしまいました。
 
さすがに話が違うと高橋さんが言うと、
担当者は「今の高橋さん状態を考れば、
これでもかなり譲歩している」と言います。
 
最終的には言われるまま、
銀行のローンに組み替えるまで時間が必要なので、
利息だけを支払う5ヶ月間の短期契約を結ぶことになりました。
 
5ヶ月後、高橋さんはふたたび担当者と会いました。
 
ところがそこで告げられたのは、
まだ約束の銀行ローンへの組み替えができていない、
という話だったのです。
 
また、現状ではまだ組み替えは難しいので、
もう一度短期契約を続ける必要があるとも言います。
 
高橋さんは結局、250万円を追加して
5ヶ月の短期契約をあらためて結ぶことにしました。
 
ちなみに、このときは借入額の5%分の融資手数料に加え、
当初借入額の5%分の弁済手数料まで取られています。
 
それからふたたび5ヶ月後、
両者の間で話し合いが持たれました。
 
業を煮やした高橋さんは、銀行ローンへの組み換えは
どうなっているのかと詰め寄りました。
 
すると担当者はそんな話は初めてだというような態度で、
これから2社の銀行に申し込みをするので記入してほしいと、
申込書を渡したのです。
 
このときはさらに450万円の借入を追加して、
とうとう借金は1800万円までふくらんでしまいました。
 
こうなると、もうどうしようもありません。
 
最終的に高橋さんは、担保に入れた土地を
処分しなければならなくなってしまったのでした。
 
このように、超低金利の長期ローンを宣伝しておきながら、
言葉巧みに短期契約を結ばせて利息を支払わせる、
というのがこの会社の手口だったのです。
 
さらに何度も契約を更新し、借入が極度額まで達すると、
根抵当権により担保を処分させるという、じつに悪質なやり方です。
 
こういった商法に引っかからないためにも、
甘い言葉には騙されず、お金を借りるときは
しっかりした業者を選ぶようにしてください。
 
少しでも話がおかしいと感じたら、
すぐに弁護士など法律の専門家に相談するようにしましょう。