キャッシングで返済済みの過払金は実際にどのように計算すればよいのか?

もしもグレーゾーン金利で借り入れをして支払いを続けていたとすると、
一体どれくらいの過払金が発生するものなのでしょうか?
 
グレーゾーン金利は、本来であれば利息制限法によって
15~20%が上限と定められているはずの金利を、
出資法の上限である29.2%に設定されていることがほとんどです。
 
簡単にいえば、29.2%から融資額次第で15~20%を差し引いた分の
利息が過払金ということになるのですが、
実際にはもう少し複雑な計算が必要となることが多いです。
 
具体例を挙げて、その計算方法を見てみましょう。
 
まず、10年前に消費者金融から出資法ギリギリの
金利29.2%で50万円の借り入れをした人がいるとします。
 
そこからずっと返済を繰り返してきて今にいたるわけですが、
結局10年後の現在でもまだ50万円の融資額が丸々残ってしまっています。
 
元本が残り続けているということは、ようするに毎月毎月利息だけを
支払っていたことと変わりません。
 
このようなケースでは、どれだけ返済を繰り返しても
まったく借り入れ額が減っていかないので、
精神的に疲弊してしまうパターンも多いですね。
 
ただ、ここで思い出さなければいけないのが、
この利息はあくまでグレーゾーン金利によるものだということ。
 
つまりこの例でいえば、債務者は10年間も支払う必要のなかった
金額を積み重ねてきたことになるわけです。
 
では、具体的にどれだけの金額が「過払金」となっていたのでしょうか。
 
ここで用いられるのが、「引き直し計算」です。
引き直し計算というのは、
ようするにグレーゾーン金利の契約で返済をしていた人が、
もし利息制限法にのっとった金利で計算をした場合、
実際には借金額がどうなっているのかということを確かめるための方法です。
 
このケースであれば、借り入れ額は50万円なので、
利息制限法によれば18%、つまり50×0.18=9万円が、
1年間に支払うべき利息であったことが分かります。
 
グレーゾーン金利の場合であれば14万6000円なので、
その差額は1年間で5万6000円分になることが分かります
 
ここでポイントとなるのが、
では利息を超えた返済額はどなるのか、
ということです。
 
引き直し計算では、
これを元本である50万円に対する返済として考えます。
 
つまり、
1年目では50万円から5万6000円を引いた
44万4000円まで借り入れ額は減っていたことになるのです。
 
同じようにして2年目以降も考えていきます。
 
2年目以降は元本が減っているので、
その分利息も減っていき、
余分に支払っていた金額はますます大きくなっていきます。
 
こうして計算していくと、このケースでは実は
すでに7年目には完済していたのだということが分かります。
 
つまり8年目以降に支払っていた14万6000円の利息は、
すべて本来であれば支払う必要のなかった「過払金」となるわけです。
 
このようにしてすべての過払金を合計すると、
その金額は何と50万円近くにもなることが分かります。
 
ようするに、残っていた元本とほとんど
変わらないほどの大きな数字になるわけですね。
 
もちろん、今回の例では具体的ににどのように
過払い金を求めていくかということを示しただけなので、
数字は単純化しています。
 
実際にはこの期間中にも何度か借り入れを行ったり、
分割して返済したりもしているので、
より複雑な引き直し計算が必要となります。
 
ですが、これだけでも十分、
なぜ過払金というものが生じてしまうのか、
そしてそれがいかに大きな金額となるのか、
ということが具体的によく分かっていただけたのではないでしょうか。
 
払いすぎた金利分を返してもらうことは、
これまでのグレーゾーン金利の裁判で出された判例と、
民法の「不当利得返還請求権」によって認められた、
債務者の正当な権利なのです。