キャッシング審査が通らない理由、総量規制は1社借入だけではない

2006年12月13日に成立し、2010年6月18日に
完全施行された改正貸金業法によって、
私たちがお金を借りるさいのルールは大きく変わりました。

そのおもな目的は、消費者が自分の返済能力を大きく超えた
契約を結び、多重債務などの借金地獄におちいってしまうことを
防ぐためとなっています。

この改正の大きな柱の1つに、「総量規制」があります。

これは、債務者は年収の3分の1にあたる
金額までしか借入を行うことはできない、
とする制限のことです。

ここでいう借入額というのは、
すべての融資を合計したものです。

したがって、複数の業者から借入を行っている場合は、
それを合わせた金額が年収の3分の1を超えてしまった時点で、
新たにほかの業者とも契約を結ぶことはできない、
ということになるわけです。

業者側に対しては、これを守るため、
契約を結ぶさいに利用者の借入残高を
調査することが義務づけられています。

そのような個人信用情報は、
指定情報機関によって各業者間で共有
することができるようになっています。

したがって、総量規制が理由で融資を断られた場合、
あらためてほかの業者を訪れたとしても結果は変わりません。

ただし制限されるのはあくまで
「新たな借入」にかぎられているので、
すでに借入残高が年収の3分の1を超えていたとしても、
今すぐそれを返済しなければならない
というわけではないので、そこは安心してください。

とはいえ、返済能力がないと
見られていることに変わりはありません。

また、今はまだ3分の1を超えていないとしても、
残高が増え続けているようであれば、
いずれは総量規制に引っかかることは間違いありません。

そのような人は、今すぐに家計を見直して、
借金を整理するようにしましょう。

そして借金を整理するときに
重要となるのが、引き直し計算です。

これも貸金業法の改正の大きな柱のひとつですが、
それまで出資法と利息制限法の間であいまいに
なっていた金利の上限については、
すべて20%までと一律に定められることになりました。

特定調停などの債務整理を行う場合には、
この上限を超える契約に関しては、
すべて適切な金利で計算をしなおしてやる必要があります。

それが、引き直し計算です。

引き直し計算では、20%の年利を超えて
余分に支払っていた利息分に関しては、
元本の返済にあてられたものと考えて計算し直します。

これによって、不当な金利で結んでいた契約では
かなりの借金を減額することができるようになります。

これは、貸金業法が改正される以前に結ばれた、
いわゆるグレーゾーン金利の契約であっても
同様のことを行います。

というのも、そもそもグレーゾーン金利が長らく
放置されてきた理由のひとつに、かつての
貸金業法43条の存在がありました。

その「みなし弁済」という規定によれば、
たとえ利息制限法を超える金利であっても、
契約書や受領書などを書面で用意したうえ、
債務者が自分の意思で支払いを行っていた場合であれば、
出資法の上限金利29.2%までは有効になるとされていたのです。

消費者金融ではこの規定を盾に取り、
堂々と利息制限法を超える金利を
設定していたわけです。

ただ、この「みなし弁済」規定には
当初から批判も多く、最高裁判所でも
これが適用されるケースというのは
なかなかありませんでした。

そしてついに2006年1月13日、
「みなし弁済」は基本的に適用されることはない、
という判断が最高裁判所で示されたのです。

これによって、事実上「みなし弁済」規定は無効となり、
過去にさかのぼってもグレーゾーン金利は
成立しないことになったわけです。

このような過払いの時効は、
最後の取引を終えてから10年間となっているので、
心当たりのある方は今からでもぜひ自分の契約に関して
あらためて見なおしてみてください。