キャッシングの基準となっている法律「貸金業法」はなぜ大きく変わることになったのか?

貸金業法はもともとの名称を
「貸金業の規制等に関する法律」といいます。

 

その名のとおり、貸金業者に対して
公正なルールで融資を行わせる目的で作られたもので、
2度の改正を経て現在の形となりました。

 

2006年12月13日に成立し、
同月20日に公布された現在の貸金業法では、
その内容のほとんどが改められることとなり、
貸金業をめぐる出来事としては大きな
ターニングポイントとなりました。

 

中でも私たち消費者にとって関係が深いのが、
金利の上限の引き下げと、
返済能力を超える貸付の規制についてです。

 

この2つによって、私たちは以前よりもより強く、
法の力で借金地獄から守られるようになったのです。

 

特に金利の上限の引き下げについては、
背景となるグレーゾーン金利の廃止が、
世論を巻き込んで大きな議論となりました。

 

それ以前の貸金における金利の上限は、
利息制限法という法律によって、
元本が10万円未満 → 20%
10万円以上100万円未満 → 18%
100万円以上 → 15%というように、
金額によって15~20%の間に上限が定められていました。

 

ところがこれとは別に出資法という法律があり、
こちらでは年利29.2%まで上限を設定してよいとされていたのです。

 

さらに例外として、日賦貸金業者と電話担保金融には
54.75%までの金利が認められていました。

 

なぜ、このような二重の規定が存在していたのでしょうか。

 

実はこれには理由があり、利息制限法の24条では、
債務者が自分の意志で支払い、
業者側が契約書や受領書を書面で交付する、
といった一定条件さえクリアしていれば、
出資法の上限までなら金利を超えてもよいとされていたのです。

 

このような規定を、「みなし弁済」といいます。

 

また、出資法には違反した貸付を行うと
5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金
という罰則があり、さらに業務停止や登録取消といった
厳しい処分も行われました。

 

しかし一方で利息制限法にはそのような罰則もなかったため、
ほとんどの消費者金融はこれを無視して、
利息制限法より高く出資法未満より低い20~29.2%の、
いわゆるグレーゾーン金利で貸出を行っていたのです。

 

グレーゾーンという名称から分かるとおり、
この存在に関しては、
当初からその正当性に疑問が抱かれていました。

 

そして法解釈をめぐり、実際に多くの債務者が訴訟を起こしてもいます。

 

その争いにはとても長い時間が費やされましたが、
2006年1月13日にはついに、
最高裁判所から「みなし弁済」規定は基本的に
成り立つものではない、と否定する判決が出されました。

 

つまり、これによって「みなし弁済」によって
成り立っていたグレーゾーン金利は、
過去にわたってすべて無効となることが認められたのです。

 

さらに弁護士会でも、この「みなし弁済」規定に対し、
消費者を多重債務などの借金地獄におちいらせる
元凶になっているとの批判が提出されました。

 

こうした司法の動きを受けて、
国会でもグレーゾーン金利の撤廃に関する議論は高まり、
ついに改正によってみなし弁済を廃止することが
決定されるにいたったわけです。

 

これに合わせ、日賦貸金業者と電話担保金融の54.75%という
特例の上限も同時に廃止されることになりました。

 

法律は2006年から段階的に施行され、
ついにグレーゾーン金利が正式に撤廃されたのは、
2010年6月18日をもってのことでした。

 

現在では、利息制限法に定められた上限を
超える金利はすべて無効とされています。

 

同時に、出資法の上限もそれに合わせ、
20%まで引き下げられています。

 

もしも時効となる10年前より後の契約であれば、
グレーゾーン金利によって払い過ぎた分は適正な
金利で計算しなおして、過払金返還請求で返してもらうこともできます。